TCP/IPの二つの意味

TCPはTransmission Control Protocol、IPはInternet Protocolの略称です。 TCP/IPは、インターネット環境の通信を実現する為のプロトコルで、最も有名なプロトコルです。 ここではTCP/IPがどのようなものか考えていきましょう。
TCP/IPは米国防総省が、部分的に破壊されても全体が停止することのないコンピュータネットワークを開発する過程で生まれました。 そして実用性を試験する過程で、TCP/IP本体と実際にメールのやりとりやファイル転送を行う機能がつくられたのです。

図5

TCP/IPという言葉だけで捉えるとTCPとIPという2つのプロトコルを意味するように感じられます。もちろんその意味もありますが、 多くの場合はTCPとIPの2つを表すだけでなく、図5のように具体的には IPやTCP、SMTP、TELNET、FTP、HTTPなど、インターネットに深く関係する多くのプロトコルを含まれます。 これをTCP/IPプロトコル群やプロトコルスイートと呼ぶこともあります。
またプロトコルは、同じく図5に示すとおり、階層に分かれています。 個々の詳しい機能は2章にて考えていきますが、おもに以下のようなものが有ります。

WWW(WorldWideWeb)
 ホームページを見るためのプロトコル。プロトコル名はHTTP。
電子メール
 コンピュータ・パソコン間で手紙をやり取りするためのプロトコル。プロトコル名はSMTP。
ファイル転送
 コンピュータ・パソコン間でファイルを送るためのプロトコル。プロトコル名はFTP。


図6

図6はTCP/IPが階層になっている利点を示しました。実際にメールを送る場合、 メールの内容はTCP/IP層でコンテナにいれられます。そして、相手に送る場合は、コンテナを ネットワークインターフェース(ここではトラック)にのせて相手に送ります。 現実の運送が、鉄道、飛行機など乗り換えるように、TCP/IPでも相手に届くまでには 色々なネットワークインターフェースに乗せられて届きます。 このように、階層になっていると、乗せかえる時に、コンテナだけを取り出して運べるという利点があります。