ここでは一番重要な、インターネットの名前を考えていきましょう。
以前にインターネットの世界ではIPアドレスをもとに、相手と通信をすると説明しました。しかし、いまいちピンとこないかも知れません。それは、普段多くの人がIPアドレスを意識せずにインターネットにアクセスしているからかもしれません。普段、私たちは、アルファベットとピリオドを利用したURLを使っています。
たとえば、文化庁のホームページを見る場合には、http://www.bunka.go.jpと指定します。
そして文化庁のWebサーバのIPアドレスは、210.137.20.12です。これをhttp://210.137.20.12
のように指定しても文化庁のホームページにアクセスすることができます。
実は、http://www.bunka.go.jpでアクセスした時も、パソコンの内部では、210.137.20.12というIPアドレスに変換され、アクセスしていました。
人間にとって数字の羅列は覚えにくいものといえるため、IPアドレスを使用するのは不便な場合があるからです。 これは、勤務先の電話番号や、引越しなどで電話番号が変わった時など、なかなか覚えられないのと同じです。
そして、URLで指定することは、電話の短縮や、携帯電話にあらかじめ、名前と電話番号を登録しておくようなものです。
では、どのようにしてIPアドレスとURLを対応させているのでしょうか?
TCP/IPの世界では、古くからhostsと呼ばれるデータベースファイルが利用されてきました。これはホスト名やIPアドレスの登録・変更処理を一箇所で集中管理するものでした。しかし、今日ではネットワークの規模が大きくなり、毎日かなりのサーバが新しく作られるため不可能なこととなりました。
そしてURLとIPアドレスの対応関係を効率よく管理するための手段としてDNS(Domain Name System)が考えられました。このシステムでは、名前を管理している組織内で、名前とIPアドレスの関係を表すデータベースの管理ができます。
DNSでは、ユーザが、名前を入力したら、自動的に名前や、IPアドレスが登録されているデータベースサーバーが検出され、、そこから、IPアドレスの情報を得るようになっています。このように、名前や、IPアドレスの登録や、変更の場合も、その組織内で処理すればよく、他の機関に申請、報告等をする必要がなくなりました。
このサービスを提供するサーバをDNSサーバと呼んでいます。また、インターネット上の名前を扱うことから、ネームサーバとも呼ばれています。
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